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2008.10.18

【格差社会】ホームレスおばあちゃん

キャットアイ CC-MC100W サイクルコンピュータ ブラック マイクロワイヤレス
キャットアイ CC-MC100W サイクルコンピュータ ブラック マイクロワイヤレス
・走行時間:1時間50分32秒
・走行距離:38.89km
・平均速度:21.1km/h
・最高速度:36.8km/h
・積算距離:435.1km


いつもロードーレーサーで夜に走る時には、帰り道で商店街を横切る。夜だと通る人もいないし、大体半分近くはシャッターの降りたいわゆる「シャッター通り」である。他に通っているのは同じような自転車の人だったりする。あぶなっかしいので、念を入れて徐行する。

いつも商店街の全く同じ場所を横切っているのだけれど、今回は新しい発見があった。いつもと違うことに気付いた。いつも横切る場所の近くの店の前に、ホームレスの人がいるのである。

世の中は格差社会で、ホームレスの人が増えているのだといわれて久しい。ネットカフェ難民とかよくきくけれど、こういうのは全く実感がない。なぜなら私はネットカフェに行かないからだ。自分の周囲の人でホームレスになったという人の話を聞いたこともないし、近所でもほとんど見ない。高速道路の高架下にはいつも見かけるホームレスの人がいる。でも高速道路の高架下にはずっと昔から、私が物心ついたころから、ホームレスの人はいるわけであって、最近になって突如現れたわけでもない。

ホームレスの人が夜に商店街で寝ているのを見ると、なるほど格差社会云々はテレビの中だけの話じゃなかったんだな、と実感する。でも、なんか変だ。なにかちょっと違う。

私が見たホームレス@商店街の人は何だかちょっと不自然なのだ。おいおいそんなところにいきなり寝ますかね?普通いっぱしのホームレスなら、もうちょっと目立たないところに陣取るのではないの?といいたくなるくらい堂々と商店街の目立つところの店の軒先に布団(どうもダンボールと毛布を組み合わせているらしい)を敷いている。

それと、よく見るとそばには自転車が置かれている。赤いママチャリだ。そんなに古いものでもない。それで見て何となくわかったのはたぶんこの人はホームレス歴が短い・・・といおうか、なったばかりなのだろう・・・という気がする。

そこまで見て(といってもじっと眺めていたのではなくて、自転車で徐行して横をすぎる10秒程度のことである)、なんか変だな・・・と更に思って気がついてみると、布団の中で横になりながら、ずっと泣いている。涙を流して泣いている。顔の汚れに涙の跡がある。しくしくとすすり泣いているのではなくて、袖で目元をぬぐいながらさめざめと泣いている。よく見るとその人は小さなおばあちゃんだった。

中国ではよく物乞いのおばあちゃんを見ることがある。珍しいものではない。ただそれらの人に「ホーム」があるのかないのかは知らない。一部ではあれは商売の1つであって、彼(彼女)らにはちゃんと家があるのだとも聞く。だからホームレスという言葉が適当なのかどうかはわからない。中国で路上で生活している(寝ている)おばあちゃんを見たことがない。(駅で列車をまって、広場で寝ているような人は見たことがあるけれど)

私の目の前のおばあちゃんは、まだなり立ての見習いかもしれないけれど、たぶん正真正銘のホームレスである。

なんといおうか・・・見て、それを知った瞬間に、ものすごく打ちのめされてしまった。精神に強力な打撃を受けた。

小さな、小さなおばあちゃんなのだ。風が吹いたら倒れてしまいそうな華奢な人のだ。こんな人がどうやって自転車を漕いでいるのかも疑問に思えるような人なのだ。こんなおばあちゃんが、これから迎える冬をどうやって乗り越えられるのだろうか?と思う。
どう考えても80歳は越えてそうな人なのだ。これからがんばって働いてホームレスの状態から抜け出そう・・・とか、ちょっと無理そうである。年金はどうなってるんだろうか?と思うのだけれど、そういうものがあるのならば、わざわざ好き好んで80過ぎたおばあちゃんが商店街で寝るわけもない。年金は無いのか、もしくはあってもまともな生活が出来ないくらいの小さなものなんだろう。こうなってくるともう泣くしか他にやることはないのだろう。

これが今問題になっている「格差社会」というものなのか・・・と思った。格差社会と聞くと、片方が極端に儲かっていて(例えばホリエモンみたいな)、もう一方はあんまり儲からない(例えば派遣労働)・・・という印象があるけれど、もし私の見たあのおばあちゃんの置かれている状態が「格差社会」の結果だとするならば、これはあんまり儲かっていないというレベルの話ではなくて、無限の絶望の底へ叩き込まれているという状態なのだろう。

「おいおい!俺は今、こんな風にして自転車なんか乗ってていいのか?」

・・・と思うものの、正直なところ、こういう問題にどう向き合えばいいのかよくわからないのである。

自転車というものはすばらしい。メタボもなくなるし、環境にも優しい。しかし格差を是正するのはどうも出来そうにない。私はさも偉そうに問題意識をブログで書いて見たりするけれど、ただ「目の当たりに」して、そのショックに参っているだけのことでしかない。かと言って私が自転車に乗らなくなればこれらの問題が解決するわけでもない。それに自転車に乗らなければ、私がこのような社会問題を具体的に目撃することはなかったはずだ。どうすればいいのかわからないけれど、とにかく日本の格差というものをもう少し深刻に受け止める必要があることだけはよくわかった。

洞窟オジさん―荒野の43年 平成最強のホームレス驚愕の全サバイバルを語る

著者/訳者:加村 一馬

出版社:小学館( 2004-04 )

定価:¥ 1,260

単行本 ( 221 ページ )


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