2009.03.03
香港で買った中華包丁
香港にいる頃に買った中華包丁です。
香港で暮らし始めた頃、最初はホテル暮らしで、ホテル暮らしは昔から憧れだったんですけど、実際にやってみると無味乾燥で面白くありませんでした。
次に湾仔で部屋を借りたんですけど、ここがものすごい失敗。家賃が高いだけで全然いい部屋ではありませんでした。そこで銅鑼湾に移ったんですけど、レイトンロードのPCCWの近く(スターバックスの斜向かいの・・・といえばわかる人にはわかるでしょう)のアパートで、ここがものすごく香港テイストの部屋でよかったのでした。ものすごくだだっ広い部屋で、元は人が住むような部屋ではないはず(オフィスか、倉庫?)。その代り家賃が安くて、たぶん近所で同じ面積を借りたら倍はしたんじゃないかと思います。
でも、キッチンがなかった。
私は料理が好きなので、キッチンがないと困ります。なので、無ければつくっちゃえ、と思いついて、作ってみました。
といっても、スチールラックを組んで窓際において、カセットコンロと、洗い棚と俎板を置いて、それで料理が出来るようにしただけなんですけど。食器洗いはシャワールームに持っていってやっておりました。ここでの生活はとても楽しかった。だだっ広い部屋に大きなベッドと手作りキッチンだけがあって、狭い窓から、小さな空が見えた。仕事が無い日は部屋で朝から珈琲をいれて、ずっと本を読んでいた。飽きたら散歩をして、夜はサラダをつくって、サンミゲルビールを飲んだ。香港にしては、特に銅鑼湾にしては静かな場所で、ああいうのは私の理想生活の一つでした。あんまり長く続かなかったけど。
しばらくの間、ビクトリノックスのナイフで料理をしていたんですけど、あれでは毎回大変なので、包丁を買おうと思い、湾仔の金物屋さんへ。せっかくだから中華包丁を買おうと思ったんですけど、どれもこれも大きい。牛一頭を解体するのか、豚の大腿骨を叩き割るのか、そんな大鉈みたいなのばっかり。やっと手ごろな大きさを見つけたと思ったら、ペラペラの鉄板に申し訳程度の握り手があるもので、ちょっと安っぽすぎる。店で売られている状態で既に錆びている。いずれも日本人が料理をするのにはちょっと不向きです。それであれこれさがして、やっとみつけたのがこの包丁だったのでした。
手ごろなサイズで、形もちょっと湾曲してて、フックにひっかける穴も開いていて、便利そう。決め手はこの日本髪をゆった女性のマークでした。
別に日本製ではないと思うのですけど、こういうマークがついています。「Made in Japan」とは書かれていません。香港ではこういうなーんちゃって日本製品が多いのです。日本製=高級品という印象があるので、どこかに日本らしいマークを入れるとか、日本名になっているとか。この刻印の女性はうまく描けていると思うんですけど、なぜか今にも泣きそうな顔をしています。これにひかれて買ってしまいました。
これが非常によい中華包丁でして、材質がいいのでちゃんと砥いでやればよく切れるし、錆びには強いし、大きさが絶妙で軽すぎず重すぎず私の手にぴったりと合います。上海でもこれを使っていたんですけど、最近は日本の生活が長くなってしまったので、去年の夏に上海の家から持って帰ってきました。
これを吸盤のフックで台所の壁にひっかけて、毎日使っております。これで大きな丸い木のまな板があれば言う事無しなんですけどね。
「うちはだんだんと日本やないみたいになってきたねぇ・・・」と母がぽつりとつぶやきます。
私はこの中華包丁に「日本」を見出して買って来たんですけどね・・・すみません。





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