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2009.02.28

村上春樹「エルサレム賞」授賞式講演の中国語訳

村上春樹の講演というものを未だかつて聞いた事がない。

小説の方は、小学生の時から全て読んできたけれど、彼が講演というものをするということ自体が何とも想像しにくいことで、寡聞にして記憶にない。彼が公式な場で大勢に向って何かを語るようなことは少ないことなのではないかと思う(大学での授業などは別にして)。

なので今回、村上春樹が文学賞受賞のためにイスラエルに行って、講演をするということを聞いて以来、一体どのようなことを話すのか、非常に興味深かった。

■【日本語全訳】村上春樹さん「エルサレム賞」授賞式講演全文(47ニュース)

http://www.47news.jp/47topics/e/93879.php

さきほど、ふとしたきっかけで上記のページを見つけた。

なるほど、と思う。

私が一番最初に考えるのは、これは元々は英語で行った講演である・・・ということだ。

やっぱり自分も語学というものをやっていて、日々それと向きあっている事情から・・・私は英語ではなくて中国語だけれど・・・日本人が外国で英語の講演を行うとなると、その点が非常に気になる。

私も以前中国で、2回人前で話さなくてはいけなかったことがある。1回目はある式典の開会式にて。もう2回目はある会社の新規プロジェクトの開始にあたって従業員に向ってであったけれど、1回目は何の準備もなくいきなりマイクを渡されたので散々な結果となってしまった。2回目の方も突然だったけれど、こっちの方は時間無制限で好きなように話させてもらえた。2回目の時にようやく、中国語のスピーチというものが、自分の言葉で出来たような気がした。

外国語を学ぶという事は、一生かけて取り組む大事業のようなものだといつも思っている。

自分が中国語を学び始めてから、数々の難関があり、それをなんとか乗り越えてきたけれど、その中でも一番難しかったのは「自分の言いたい事を言えるようになる」ということだった。挨拶であるとか、料理の注文であるとか、道の聞き方とかはどうでもいい。「自分が本当に言いたいこと」を、日本語で日本人に伝えているのと同じように、中国語で中国人に伝える事はできるのか、というのが自分にとって実現困難な一つの大きな壁だったのだ。

私はこれを実現するまでに13年くらいかかった。途中、中国語から離れている時期が8年ほどあったので、それを差し引けば5年かかったということである。もっと真面目に勉強すればもっと早くできるようになるのかもしれないけれど。

日本人が外国語で行うスピーチというものを、何度か聞いたことがある。それは得てしてテレビで、英語で行われているものを、字幕つきで見るわけだけど、こういうものの多くは定型文をつぎはぎして作り上げているんじゃないかと思う。そつなくきれいに仕上げているけど、全く心に触れない言葉の羅列である。正直なところ我々の日常的な言葉のほとんどはその繰り返しのようなものだと思うけれど。

村上春樹の授賞式講演を読んで思ったのは・・・私は英語が分からないので、もちろん前出の日本語訳で読んだわけだけれど・・・この人の英語は、自分の言葉になっているのだな、ということであった。そして私が同じような内容を中国語でスピーチできるかどうかはかなり怪しい・・・。(ちょっと仕込みの時間をもらえたら、8割くらいは出来るんじゃないかとは思うけど)

とりあえず、この日本語を中国語に訳してみれば、自分の語学力のレベルを改めて認識出来るのではないか、と思って2,3行やってみたけれど、やっぱり忙しいのでやめておきます(笑)。その代わりに中国のブログで中国語の翻訳をみつけましたので、そちらへのリンクをここにのっけておきます。

■村上春譬痩芽ョイ:我永霑懌牛ン蛋霑刪・セケ
http://btr.blogbus.com/logs/35673202.html

「私は常に卵側に立つ」という時の「卵側」は何というんだろう?って思いましたが「蛋霑刪・セケ」でいいんですね。なるほど、いい勉強になります。

中国というのは国ぐるみで反日教育・反日活動をやっている・・・という印象が強い。それは実際にそうなんだけれど、あまり目立たないところで、こういう地味な活動を辛抱強くやっている人がいるのも中国の一面であって、認めなければならない事実でもある。私はこういう人たちがとても好きである。出来得るならば私も、こういう人たちの側に立ちたいと思う。

走ることについて語るときに僕の語ること

著者/訳者:村上 春樹

出版社:文藝春秋( 2007-10-12 )

定価:¥ 1,500

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単行本 ( 248 ページ )


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