« | »

2009.08.02

ベーグルについて私が知っていること

DSC02936

先日ママチャリで堺に行った時に、人と待ち合わせだったのだけど、住宅街で喫茶店らしきものは見えなかった。代わりにおいしそうなパン屋があった。

村上春樹の「パン屋襲撃」の影響もあって、パン屋に行くのは緊張する。もしワーグナー好きの共産党員の店主がいたらどうしよう?でも堺のこの店には女性店員が二人いるだけで、ワーグナーはかかっていなかった。店員が共産党員であるかどうかはよくわからない。

あまりお腹は減っていなかったけれど、なにか一つくらいいいか、と思って見ていたらベーグルが目に付いた。

ベーグルというのは不思議な食べ物であると思う。私が子供の頃にはこういうものはなかったはずである。いつの間にかやってきて、いつの間にか名を知られているが、かといって毎日食べることもなく、特に流行ったとも聞かない。

昔スーパーカーブームというのがあって、私もそれにはまった。写真(カード?)を毎日眺めて名前を覚えて、プラモを作って、消しゴムを集めた。ああいうスーパーカーというのは、一生かかっても自分で買うどころか、みかけることだって無いようなものである。それでも名前はしっかり覚えていて、形だって記憶していて、友達の間で「これの名前はなんだっけ?」という話になると咄嗟に回答できないといけなかった。そういう中にあまりスーパーとは感じられないけれど、一応スーパーカーの中に分類されていて、みんな名前は覚えているけどスーパーでもない割には近所でみかけることもなく、なにがありがたいのかさっぱりわからん・・・という車種があった。

ランチア・ストラトスとか、ロータス・ヨーロッパとかである。

こういうスーパー感に欠けるクルマというのは、大体みんなあんまり好きではない。カードとか消しゴムのトレードの際に、いつもこの2台というのは引き取り手が現れない。お菓子のオマケのカードとか、ガチャガチャで出て来る消しゴムは自分で任意のものを選べないのだから、こういう車種に当たってしまうのはしょうがないのだが、子供ながらどうしてお菓子会社やガチャガチャの消しゴム屋はわざわざ人気の無い車種も律儀に作ってしまうのか?と疑問に思っていた。

いつもの癖で前置きが長くなったが、私にとってのベーグルというのはランチア・ストラトスとかロータス・ヨーロッパみたいなものであって、特に人気があるわけでもなく、しょっちゅう見かけるわけでもないのに、名前も形も知っているし、どうやら他の周囲のみなさんもご存知であるらしい・・・というものなのである。

そしてこのベーグルがユダヤ由来のものであると聞いてからは、更に妄想は深まった。ユダヤといえば陰謀であり、エノクであり、宇野正美であり、モサドであり、落合信彦の世界である。

毎回なんらかの理由で、自分の自由意志に基づかない状況で、何かを食べなくてはならないという状況が発生した場合、そしてそれがパン食を供する場所であり、ベーグルを置いているという状況の時に(なぜか私にはそういうケースが多い)、必ずベーグルを選ぶようにしている。特に好きなわけではない。元よりパン食はあまり好まない。それでも様々な大人の事情で、好まなくとも何かを食べなくてはならない時にはベーグルを選ぶ。自分の自由にも欲求にも基づかなくとも、ベーグルを選択するだけで、私はユダヤ由来の謎の食物を摂取して、宇野正美的世界ないし落合信彦的世界に思いを馳せ、ランチア・ストラトスとかロータス・ヨーロッパの形を思い出しながら、退屈な時間を紛らわすことが出来るからである。

ところで結局、ベーグルとは一体なんなのだ?

ベーグル(ウィキペディア)

ベーグル(英語:Bagel, イディッシュ語:ラ替オヨシラ燮椿キラ慓カラ煤Aラ泰イラ潰怐Abeygl, beygel)は、小麦粉の生地をひも状にのばし、両端を合わせて輪の形にして発酵させ、茹でた後にオーブンで焼いて作られるアシュケナジムのパンである。この製造法により、外側はカリッと焼き上げられ、内側は柔らかくてもっちりと詰まった歯触りになる。乾燥を防げば品質は数日間保たれる。また、水分量が少ないので、冷凍保存なら家庭用の冷蔵庫でも1ヶ月程度は充分に保存できる。

ちなみに中国語では「雍揄ハ面包」と書くらしい。「雍揄ハ」はbeiguo(ベイグオ)と読む。音訳系の当て字であるが、この表記は台湾由来である。意訳系の単語があるのかどうかはわからない。

よく言われる起源説では、ベーグルの起源は1683年、ウィーンのユダヤ人のパン屋によるものとされるが、このパン屋の名は明らかになっていない。このパン屋が第二次ウィーン包囲における勝利を祝ってベーグルをポーランド王ヤン3世に献上したと言われている。その際、騎兵隊の突撃を記念するためにあぶみの形に作られたという。

ベーグルがあぶみを意味する “baugal” から名付けられたという説は、その単語の類似性からも、伝統的なベーグルは完全な円形ではなく、若干あぶみに似た形をしていたという事実からも、もっともらしいように思われる。

ああ!あれはあぶみだったのか!なんだかとても納得。でもどうして騎兵隊の突撃記念であぶみになってしまうのだろうか?まぁ、これ以上は追求しないでおこう。

いつもベーグルとは非積極的な形式で出会うこともあってか、今までベーグルを食べて心底美味しいと思ったことがない。いつも大体これは元々こんなものなのか、それともこの店のベーグルがたまたまこんな味なのか・・・と懐疑的に思いながら口にしている。たぶん私がランチア・ストラトスとかロータス・ヨーロッパに乗る事があったとしたら、「このクルマは確かにすごいのかもしれないが、それがスーパーと呼ぶに値するのか・・・そもそも自分はスーパーカーと呼ぶべきものにも乗ったこともないし・・・」と思うことだろう。それと同じ事である。

ただ、ベーグルはスーパーカーほど値が張るものではない。だからいつか機会を見つけて、本物の、最高のベーグルを腹いっぱいに食べて、ベーグルのあるべき「標準」の味を自分の身体の中に覚えさせておきたいと思うものの、もともとベーグルとの関係が非積極的なものであるため、そこまでの飛躍的な関係の発展は考えられない。人間というものは日々の無数の選択の結果に自分の将来を構築しているものであって、昨日の選択の結果として今日があり、今日の選択は明日へとつながっていく。40年近く取捨選択して築きあげた私の世界の中には、ちょうどベーグルが、もしくはベーグル的なものが、すっぽりと抜け落ちているのだろう。そしてベーグル的な世界の中にはたぶん、宇野正美も落合信彦も含まれていないような気がする。陰謀くらいはちょっと入っているかも知れないけれど、その真実についてはよくわからない。

ベーグルカッター (ギロチン)

ベーグルカッター (ギロチン)

定価:¥ 6,090

Amazon価格:¥ 4,567

カテゴリ:ホーム&キッチン


トラックバック URL

コメント & トラックバック

現在コメントはありません。

Comment feed

コメント入力